腹 減った

　【ワーナーマイカルシネマズ綾川】へ朝早くから出かけた。仕事に出るよりも早い時間に。
　映画『127時間』を観るために。たった一人で。朝早くから。それも人生よな。うむ。

　平日は朝ごはんをとらない主義で、かつ、何があろうと昼までは腹具合も気にならず平気のへいざで頑張れるのだが、休日は不思議なことに朝から腹が減る。
　映画のはじまりが午前8時50分。
　平素の我が社の定時出社時間よりも早いではないか、何しとんねん？……ということは、ほっといとこう。

　前売券のチェックインをすませてから売店でホットドッグと飲み物を仕入れた。
　ホットドッグのスタンダード４００円、ペプシコーラのSサイズがいくらだっけか、映画観るより気分的には（時間的には）高くつく気分。



　ケチャップとマスタードの図柄が美しくないのは……ああ、そうだよ、私に絵心がないせいだよ。

　ホットドッグというのは、本来が今につながるハンバーガーと呼ばれる食い物であったのを、第二次世界大戦中に米国で、ハンバーガーが敵国独逸の地名由来だというので、嫌気されてホットドッグと呼ばれるようになったと聞いたことがある。
　ほんとかどうかは知らないけれど（笑。
　しかし、食い物のそういう話って、日本陸海軍がカレーライスを「辛味入りあんかけ飯（だっけか）」と呼び変えただけで、我が邦の戦う源たる食物として受容する根源的な阿呆らしさの何かを日本人は表だって誰一人語ることもせず……ほんまにもう、このいい加減やろう……的な同じ日本人たるくやしさめいた気分も漂うけど、なにしろ、食べ物とイデオロギーを戦わせると、結局、味の方が勝っちゃうんですよね。
　尻すぼみだけど、そういう結論にしておきましょう。

　さて、映画は「それなり」に楽しめたけど、「もう一度観るか？」と訊かれるなら、「もうけっこうです」と答えておこう。
　何かと閉塞感やら孤独感に誰もがさいなまれているであろう今日この頃、カタルシスを傷みとともに感じて、月曜日の朝にそなえるには……ちょうどよいか、どうか。

　失うものの大きさって持っているものの大きさと比例するんだよね。
　そういうことです（笑。