腹 減った

　歩いていけなくもない程度の距離に【日本中央競馬会　ウインズ高松】がありながら、いちいち行って馬券を買うのが面倒くさいというだけの理由で、いわゆる「電話投票」、通称「PAT」の口座の権利を２度目の応募でようやく抽選に通ってから、さて、幾星霜。

　口座開設以来、PATの専用銀行口座からお金を引き出したことなど１度もない。
　自分で申すも内心忸怩たる思いに浸らざるをえないが、要するに「PAT口座とは入金するしかありえない、まさしくブラックホールみたいな口座だ」と自虐の極を楽しみながら、その合間で競馬をやっているようなものである……てなことは、どうでもよろし。
　ギャンブルは手軽にやるもんじゃないと反省することしきりなり。
　気合だ！

　その気合い負けしているお相手の日本中央競馬会から、DMが届いた。
　毎年、暮れ近くになると、「１年間のご愛顧感謝」みたいな書状がちょっとした粗品めいたものと一緒に来てたけど、この２、３年は、世の中の不景気とともに感謝の粗品がいじましくなり、そうして、去年などはただの紙っ切れだけになってしまったんだっけか、バクチなどというのは所詮はデラシネの旗のもとに集うものであって、世に余裕がなければ駄目なんだよねえ……と、屁理屈ごねるもおこがましいか。
　ともかくも季節はずれのJRA様からのDMである。



　封筒表にあるように、かねてから噂されていた、地方競馬の馬券の発売のご案内だった。
　何せ、ギャンブル・バクチとは申せ、公営のものにつき、一応の理屈を付記しないと「ちと、まずい」のだろう。
　いやしかし、「なかなかに　不景気ゆえの　バクチかな」などと一句ごちたりけりにて、嗚呼、それにしてもだ、地方競馬にまで手を出したりしたら、こっちの身の上がヤバくなるだろと笑ってすませろ……すませられるか、ようわからん（笑。

　スプリンターズステークスは香港馬のリトルブリッジにいっちょう張ってみるかと云々。
　現し世の夢ぞ……。