2011年11月25日

しんせい 湯だめ

 大人の男が口にするには恥ずかしい言葉の一つに「私は猫舌です」ってのがあって、時と場合にもよるが、たとえそれが、友と信じた相手であろうと、そう一言打ち明けた瞬間に、「けっ!」と軽蔑のまなざしを魂食い破られるほどに放出されてしまうくらいのものであって、そうしてそれは、さような重大なる秘事をうっかりと吐露してしまった我が身の愚昧を後悔するしかない。
 「何でそうなんやねん?」と問えば、それは、猫舌とは世間一般の認識の根本に「子供のころ、甘やかされて育ったのねー」というのがあるせいらしい。

 大げさに書いた割りには、簡単な理屈だ(笑。

 ちなみに江戸時代のお殿様というのは、ほとんどみんな、猫舌であったという。
 熱々で食べてこそ美味しい献立であったとて、盛り付けの有職故実がどうのこうの、ご典医様の食べ合わせがどうのこうの、なかなかに手間ひまかかる吟味があって、さらにそのうえ、幾通りにも及ぶ、お毒見があるのだから、そりゃもうお偉いお方ほど冷めた料理しか食べられなかったものらしい。
 まあ、自分がお殿様の経験なんてないので、読んで知る程度の知識しかないが。

 さて、そういうわけで(どういうわけじゃ)、私は実は猫舌である。
 熱いのは苦手だ。

 だからして、うどんは好き(というわけでもないか、好き嫌いの是非もなく食わざるを得ない場所に住んでいるもん)にしても、釜揚げうどんは、どっちかといえば苦手である。
 熱々過ぎて涙が出ちゃう♪……。

 てなこと言いつつ、釜揚げは食べてなくもないのは、このブログで何度か、釜揚げうどんの食味記事を書いたほどだから、事実なのである。
 ただ弁解をするなら、いわゆる釜揚げ専門店みたいな店では食べるけど、普通のそこらへんのセルフのうどん屋とかで釜揚げを食べるほど野暮じゃない(だなんて書くと、おっかれるかなあ)わけなのであった。


 さてさて、世は冬です。寒いです。
 あっつあつのうどんが食べたいです。でも上に述べたような事情で、セルフのうどん屋では釜揚げを頼んで待つ気はないです。
 となると、これっきゃない、湯だめ。ああ、冬に素敵なメニューは湯だめしっぽく
 とまあ、以上に前置きが長いのよね、今夜のアタクシ。

 高松市新田町の毎度おなじみ【しんせい】
 湯だめ(小)昆布の天ぷらにメンチカツ。しめて460円だっけか。

しんせい 湯だめ

 熱さの具合もちょうどよく、ダシの味わい、麺とのからみも悪くない。
 麺を大(2玉)にして、天ぷらなしでもよかったか……と思うたり。
 ごちそうさまでした

 ああ、でも、こういう記事を書くと、明日のお昼は某所の釜揚げジャンボが食べたくなってしまうんだよなあ。



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この記事へのコメント
ププププ・・・

ちまちまとエロ時代(もとい江戸時代)にまでさかのぼった話は
秘密のアッコちゃんモードにまでなり(あ、違う?)


「猫舌ゆえ釜揚げ食べれんけん湯ダメじゃーわれー!」
といいたかったわけね(笑)ほんまおもろいのー

下の記事のドンキー写真、会社でチラ見したんやが、
んまあーあまりのシズル感にじゅるりと舌なめずりしたがな!!

一人でごはん食べに行って料理写真を撮る度胸は
わたしにはマダないのでした・・・(^^;
Posted by あちこあちこ at 2011年11月25日 22:54
あちこ様。
いやしかし、釜揚げを食うときは食うております。気合です!
しかし×2、みんな、あんな熱いものをよくぞまあ、平気ですすっておられるのか、不思議でなりません(悲P。
一人外食の料理写真は、「まわりに誰もいない。私一人の場所なんだ」と心の中で念ずることからはじまります。
でも、まだ、かなり恥ずかしいけど。
Posted by むぅ at 2011年11月28日 21:03
 
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    コメント(2)