2012年10月07日

『酒のほそ道』

 「腹減った」などというブログタイトルを使っているからには、食い意地がはっているのは当たり前だけれど、だからといって一般的なグルメブログはよう書かん。
 日々のちまちま食を撮影しては、ぐだぐだ抜かすばかり。
 食い意地以上に飲み意地も人並み以上なのだけれど、酒の種類やグレードなどは何でもよろし、ただ料理酒と酸味料・アミノ酸添加の日本酒は避けて通りたいというだけで、消毒用の純度99.99%のエタノールを薄めて飲んでみてもよかろうかと思うほどの阿呆である(エタノールは、エチルアルコールの別名ですから飲めなくはないはず)。

 そういう与太はともかく、食うのも食うし、飲むのも飲むけど、飲み食い関係の書籍を読むのも好きである。
 旅行書や歴史書と同じく、飲み食い本にも夢があるもんね。

 ラズウェル細木氏のコミック『酒のほそ道』もコンビニの漫画売り場で前から気にはなっていた。
 ただ彼の絵柄が、パンフレットや雑誌の挿絵調の風情があり、どっちかと言えば苦手だったので、気にしつつ読まずにいた。
 それがある日、ふと1冊買って読んでみたら、なかなかに面白い。
 コンビニで新刊が出るのが楽しみになってしまった。

『酒のほそ道』

 2、3日前に行きつけのコンビニで買ってきた最新刊(といっても、奥付を見ると第二刷となってるが)。

 主人公が一人で、あるいは、職場仲間・飲み仲間とあちらこちらで飲んで食うのを小さくまとめた体の軽い連作コミックなのだが、共感するところもあり、また、ほのぼのした親しみをおぼえて、パラパラとページをくって眺めているだけでも楽しい。

 私もはるかな昔に独身で、かつ、若かった頃は似たような酒飲みであったような気もして、でも、ちょっと違うよなあとも感じられて、その対比が面白い。
 最初に感じた絵柄に対する違和感も、慣れてくると、逆に「この手の話題には、このスタイルの絵がよろし」と信じこんでしまう始末。
 主人公の飲み食い生活の真似は、もうできそうにないけれど、できそうにないからこそ、読む楽しみもふくらむといったところか。

 東京のガード下とか、あちらこちらの行きつけの店とかを渡り歩く生活は、繰り返すけど無理なんだけれど、いやあ、しかし、せめて今の郊外住まいじゃなくて、高松の旧市街(つまりは繁華街の近く)に住めていたらなあと、それだけがうらやましい。
 あっちぃふらふら、こっちぃふらふらするためには、そこまで往復するだけのタクシー代だって馬鹿にならないんだから。

 だからこそ、小さいけれど小さいながらに、夢のあるコミックではある。
 この季節、秋刀魚の刺身が食いたくなってきたぞ。



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この記事へのコメント
秋刀魚の刺身を食いながら・・・

毎日王冠の・・・

シルポートの逃げを見たいものである(笑)

「そのままそのまま」(笑)
Posted by ばんちょ at 2012年10月07日 10:33
ばんちょ様
シルポート……。
明日があります。
Posted by むぅむぅ at 2012年10月07日 17:55
 
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    コメント(2)