2011年07月18日

『JIN -仁-』 最終巻

 村上もとかという漫画家は、今さらいうまでもなく現役ばりばりの作家だが、私にとっては、なつかしい人である。

 何てたって『週刊 少年ジャンプ』で連載していた『虎のレーサー』という題名だったかな、愛読していた彼の作品が中途半端な終わり方をしたのがいまだに悔しく思い起こされるというほどの「おつきあい」なんである。
 あれは、今でいう打ち切りだったんだろうなあ……。

 だから、TBSの日曜ドラマ『仁』の熱心な視聴者ではなかったけれど、最終話だけはちゃんと見た。
 それなりに余韻を残した静かに感動的なラストだとは感じていた。
 でも、ネットをうろついていたら、「原作とは結末がまったく違う」という記述を見て、「ならば確認すべえ」とばかりに文庫本の最終巻の刊行と同時に購入した(通常コミックス版でないところが私のせこさである)。

『JIN -仁-』 最終巻

 確かに違う。まったく違う。
 そうして、感動の度合いは、原作の方が圧倒的に勝る。すべてが一つにつむがれて大団円を迎える感動がある。

 ただドラマの脚本にするには、あの素敵なラストシーンへと導くストーリーは相当に映像化しがたいだろう。そう思う。
 何より主人公の南方仁を二手に……以下、今後お読みになられる方のために略します(笑。

 いやしかし、こうなると第1巻より買わねばならないのか、そんな気もしてきた。
 大人買いの予感である。



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この記事へのコメント
ぬっふっふふ・・・

残念な打ち切りといえば・・・
漫☆画太郎の「珍遊記」かなあ(笑

原作と違う!!!とゆーのは・・・
「龍馬伝」かなああ、でも私の場合、「お~い!竜馬」を大人買いやけん、原作は司馬遼太郎やもんなあ・・・

最後倒れるとこが、前向きに倒れて死ぬはず??というのが
ちょっと引っかかってるだけやけどー(^^;

もしや話それた???失礼ぃ~
Posted by あちこあちこ at 2011年07月19日 00:49
わっはっは。
あの強烈な絵柄(デッサンというものを、最初から拒否してる)と訳のわからなくなる展開(たぶん作者もわからないだろう)で、ジャンプ連載史上に燦然と光り輝く『珍遊記』。
訳のわからんうちに訳のわからないまま、終わってしまった。
あれは、『少年ジャンプ』の一般読者には読むのがつらかったろうけど、一部では高い評価を受けているようです。私も大好きだけど。
少し前にも宮脇書店で単行本を目にしました。固定ファンがいるんでよね。
漫画界のカオスとでもいうべきか。

『お~い!竜馬』はほんとに部分的にしか読んでないですが、あれは司馬遼太郎の『竜馬が行く』を、武田鉄矢が彼流に解釈したものをさらに作画の小山ゆうがアレンジしてできあがった作品だと思っております。
ラストシーンは知らないので、申し訳ない。
Posted by むぅむぅ at 2011年07月19日 17:21
 
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