2011年10月09日

『檀流クッキング』

 我が青年時代からの愛読書であり、かつまた、そんな私的な事情などどうでもいいほどの料理書の名著である。
 購入して以来のウン十年来を楽しませてもらっている。

 進学して一人暮らしをはじめて、いわゆる自炊生活のためにあれこれ料理書を買いあさり、最後にたどりついたのがこの本だ。
 一般的に料理書(レシピ本)というのはビジュアルを利用して、かつ、何々が小さじ1杯やら4分の1とかきめ細やかな説明でサービス精神旺盛であるべきものと信じていた私が、この本に接して調理法の数々が文章だけで説明する、そのそっけなさに最初はあぜんとしつつ、最後には檀流の世界にのめりこんでしまったのであった。
 なにより、その書中の言葉あるいは文章そのものが読んでおいしく、そういう書物に知り合ったのがはじめてだったものだから、とにかく暇さえあれば空腹を感じるときさえあれば、読み暮らしていた。
 おかげさんで文庫本(中公文庫)のカバーはどこへ行ったものやら消えてなくなり、表紙もぼろぼろに傷つき紙面もすでに黄ばんでしまっている。

 だからウン十年ぶりに新たに買いなおした。

『檀流クッキング』

 拍子カバーの絵が変わってしまっているのが、少しばかり気になるが気にしない(笑。
 いまだに新刊で買えるように頑張ってくれている中央公論社改め、中央公論新社の姿勢に頭が下がる。

 さほどに愛し読み続けておりながら、その中のレシピのうち、実際に作ったものの少ないことといったら情けないほどなのだと白状しつつ、それでも私はこの書を愛してやまない。
 なぜそうなのかは、一読してご理解いただきたい。

 著者の檀一雄氏のご子息に檀太郎というお方がいて、父のレシピをビジュアルな料理本にも表現していらっしゃるので、そちらの方が我が「作りますよ」のお手本になっているような気もしないではないのも、まあ、よろしいか。
 ちなみに、我が愛(笑)する女優の檀ふみさんは、檀一雄氏のご令嬢にあらせられる。


 うーん、ちょいとしゃちほこばった文体になってしもうたか。ま、よかろ。



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この記事へのコメント
ここ何回かの記事をまとめ読みしたが、写真が前以上に
美しく、非常に食欲を書きたてられる気がするのは気のせい?
すごく光がよくまわってて・・・職人技ぽいー(^^


で、すごいなー
レシピ本買って調理しよったのねー素晴らしい(^^
キム麦、ミッチー妻の壇れいは孫???
Posted by あちこあちこ at 2011年10月09日 17:53
撮影した画像データをデジカメ付属のソフトで、お店で私の目が見たのと同じになるように、明るくしたり暗くしたり等々、若干いじくっているんですが、画像サイズを縮小するのを別ソフトにしたら画像のクリアさというか鮮明度が維持できるようになったという……。
私の「芸」でなくて、ソフトのおかげです。

檀れいさんは、檀家と無関係のお方のようです(笑。
Posted by むぅむぅ at 2011年10月09日 19:26
 
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『檀流クッキング』
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