2011年11月06日

すいとんⅢ

 アフリカの草原のシマウマでもいいしトムソンガゼルでも、さらにはゾウでもいいのだが、彼ら彼女らの立地の素敵さっていうのは、足元の草原が彼らの食物だってことだ。
 一面の草原ならば、すなわち、一面に食いもんがぶちまかれた状態。
 「腹減った」なんて思う間もなく、ただ首を下げれば餌にありつけるのである。

 こんな素敵なことがあっていいのか! アフリカへ行って草食動物にさえなれば、そんな素敵なことがあるんである……。

 実際には単純に素敵なことばかりじゃなくて、猛獣の危険も疫病の心配もあろうし、旱魃で足元の食いもんが枯渇することもあるだろう。
 しかし、その危険や憂いを思っても、やはり思う、「何という幸せなことか」と。
 オキアミに満ちた南氷洋の水面下で暮らしている鯨だって、オキアミの群れを探し追いかけねばならないのだぞ、この野郎!ってなもんである。

 いやしかし、本日の午後、引きこもり状態で休日を過ごすことを断念した私は、家庭菜園の野菜の状態を見ておったのだが、アブラナ科(キャベツやブロッコリーですね)の葉っぱの上にアオムシのおるのを見て、「こいつらも食い物の上に住んでいるじゃないか」と、いちいち複雑で面倒くさい人間社会に住んでおる私は涙ちょちょぎれる思いで、そのアオムシさんに素敵なお食事どころからの強制撤去を行ったのであるけれど。


 そういう次第で足元が食べ物ではありえない私は、空腹に負けて三度ともなる、すいとんを作ってしまったのであった。

すいとんⅢ

 今回の具は、ジャガイモとニンジンとシイタケと卵の組合せだ。
 冷凍庫にネギのみじん切りが保管されてあるのを思い出して、薬味にちょいと乗っけてみた。
 薬味ネギの冷凍保存は何とも便利なので、みなさまもお試し下さい……って、普通に誰でもやってるだろうか。

 卵は、これまでと違って投入と同時にかき混ぜて卵とじ状態にしてみた。
 ほんとはハードボイルド具合で固まっているのが好きなんだが。

 味付けはいつもながらの【中屋味噌】さんの赤味噌。
 しょうゆ味にしてみようかと思って作りはじめたが、やっぱり赤味噌の誘惑に勝てなかった。


 アフリカの草食動物と地面の食物の関係に対する発想は、漫画家の東海林さだお氏がアフリカへ行かれた折りのことを綴ったエッセイにあったはずだと記憶しており、したがって私のオリジナルではないことは、ここでお断り申し上げておきます。念のため。


タグ :すいとん

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この記事へのコメント
今日みたいに、お天気の悪い日には、おうちでゆ~くりと温まる物いいですね
(^^)v

飾りっ気のないすいとん、見逃せません(^^ゞ
Posted by tsubakitsubaki at 2011年11月06日 23:19
tubaki様。
これから寒くなると、うどん屋さんのしっぽくと我が家のすいとんがおいしくなります(笑。
後に残る洗いものが、どんぶり一つ鍋一つというのがよろしいようで。
また作ります。今度こそは昔風の醤油味にしてみましょう。
Posted by むぅむぅ at 2011年11月06日 23:28
 
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    コメント(2)